ボキャブラリー

知らないことは話せない〜単語暗記と世界の解像度

高校生だったころ、倫理の授業が好きであった。様々な哲学者の考えにふれ、視界が広がっていくような気がしたからだ。ウィーン出身の哲学者、ウィトゲンシュタインの言葉がとりわけ印象に残った。「語りえないことについては沈黙しなければならない。」

言葉というのは、思考とコミュニケーションのツールである。私たちは、言語を使ってものを考えて、言語を使って他者と意思疎通をする。ということは、知らない単語について考えることはできないということである。単語を知らない、ということは目の粗いフィルターしかないということなのだ。コーヒーをいれる際、目の粗いザルに豆をのせてお湯を注げば、ザルの網目から豆が流れ出てしまう。おいしいコーヒーをいれるためには、キメの細かいコーヒーフィルターを使ったほうがよい。

思考におけるボキャブラリーは、コーヒーにおけるコーヒーフィルターにあたる。英語を母語としない私たち日本人にとって、英語ができるようになるには、とにもかくにも単語を知らなければお話にならない。

中学高校レベルの単語を知らなければそのレベルからの積み上げが必須となる。

 

 大学入試で英語を使わない人はほぼいないだろうから、高卒程度のボキャブラリーがあれば、TOEIC用の単語帳を丸暗記してもよいだろう。

 

 いずれにせよ、どの単語帳がよいかなどとウダウダ考えるのは時間の無駄である。高校レベルの単語帳を買ってみて、知らない単語が多ければそれを丸暗記する。次にTOEIC用の単語帳を買って丸暗記する。平行して英語の活字にふれる。そうすることにより、次第に英語が読めるようになっていくのだ。ザルで入れていたコーヒーが、フィルターでいれたコーヒーに変わっていくのだ。☆